小松弘子のブログ

やさしいエッセー

2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧

短歌を詠む人

先日、体操教室で短歌を勉強されている方から、一枚の新聞の切り抜きのコピーを頂いた。 「すみません。後で見て頂けたら嬉しいのですが……。 短歌のことが載っています」 周りの皆にも「良かったらどうぞ」とコピーを配っていた。 「はい、どうも有難う。見…

桜守 佐野藤右衛門

毎年春に桜が見られる日本で生まれ育ったからかもしれないので、子供の頃から桜が好きだった。 花見の季節になると親に連れられて、海が一望できる須磨浦公園や鉢伏山へよく出かけたものだ。 私はその頃に朝から晩まで桜が見られたら、どんなに素敵だろうと…

桜 サクラ さくら

今年の春は好天に恵まれ、二週間ほど桜の花を存分に楽しむことができた。 京都や和歌山県、淡路島へも足を運び、ソメイヨシノやしだれなどの桜の名所をたくさん見て歩いた。それぞれに美しい春の風物詩がありとても良かった。 またそんなに足を延ばさなくて…

家が片付かない…

ときどき体操教室が終わってから、先生と気の合う友人達と二時間ぐらい近場でランチを楽しむことがある。 「女性もこの歳になると食べることが一番よね」と言っていた別の友人の口癖を思い出した。本当にその通りで可笑しかった。 いつものように、どこで何…

街歩き 美しい日本とは ②

家の中を掃除していると、ふと外国の風景のカレンダーが目に入った。どこの国の景色だろうと近づいた。とても美しく鮮やかな色彩の街だったので、最初は絵かなと思った。よく見るとアントニ・ガウディの建築物だと説明してあった。この建物はスペインのバル…

街歩き 美しい日本とは ①

二〇二〇年まであと残すところ二年で東京オリンピックが開催される。昨年から、それに向けてかどうか分からないが、初めて日本を訪れる外国の観光客にも知識と興味が持てるテレビ番組を放送している。勿論のこと日本人が見ても、今まで知らなかった全国の街…

健康って素晴らしい

健康体操教室に通って約二年になろうとしている。この教室は四十年前に作られた女性だけのつどいの場である。 その教室には、いつも新しい体操を取り入れて、皆を楽しませてくれる先生がいる。六十代とは思えない程、若々しい人である。若さと健康を維持する…

愛犬メロンとピーチ

メロンとピーチ、わが家の愛犬の名前である。生後三カ月から家に来て、早いもので飼い始めて十五年の秋を迎えた。心ない人に見捨てられた、可哀相な運命の犬だった。 この二匹の仔犬は雑種である。 柴犬に似たメロンは最初から愛嬌もので、すぐに家族になつ…

空と海と空海と

十月に入り、気候も安定して晴れの日が多くなった。特に今朝は久しぶりに空が澄み切って、秋の行楽日和には最適だった。青空を満喫できる山や海が見たくなり、和歌山県の高野山へ家族と足を運んだ。 金剛峯寺大門 その日は朝早く家を出たので、午前中にお寺…

四国八十八か所遍路旅

秋が訪れると、日常の忙しいだけの生活に、ふと立ち止まってみたくなる時がある。 二年前の春に二度目の四国八十八か所の旅に、歌謡教室の仲間三人と行った。旅の目的は、次男のために二枚目の「掛け軸と白衣」をあげたいと思ったからだ。 振り返ると過去五…

「関ヶ原」の旅

八月も下旬に入ると毎日のように秋の国内旅行の新聞広告が目に入ってくる。どこか良いところがないかと探していたら、丁度「関ヶ原」バスツアーの日帰り旅行が見つかった。 以前から関ヶ原の合戦のことを知りたかったので、早速このツアーを申し込んだ。「関…

もしも あの日がなかったら…

今年の夏もカラオケ教室の先生の、貴重な戦争体験談を聞くことができた。第二次世界大戦で、数奇な体験をされた話を参考に、戦時中の悲惨な記憶を残しておきたいと思った。 今から七十二年前に終わった、第二次世界大戦のまぎれもない真実の記録の話である。…

旅の途中で あれ これ クロアチア スロベニア編

真夏の七月二十一日、関西空港からクロアチアへ長男と二人で旅行に出かけた。六十歳で海外旅行を体験してから数回目のヨーロッパの旅である。 いつも息子の意思で行く先が決められる。 もともと海外旅行は苦手だったので、クロアチアがどこにあるのか頭にな…

すれ違い

最近主婦のあいだで「すれ違い」が原因で起きるドラマチックな別れの映画やドラマが話題になっている。また身近なところでも時折耳にするが、若い世代は男女ともに日常の生活が忙しいため「すれ違い」ができても、私は仕方ないと半分は同情している。 たとえ…

苗字の謎 発見

日本では赤ちゃんが誕生してしばらくすると、誰でも苗字と名前がつけられる。現代ではごく普通のことであるが、国民全員に苗字がつくようになったのは明治時代になってからの制度らしい。昔は一部の豪族や身分の高い士族などに限られていたことは誰もが知っ…

恋 恋 恋よ来い

女性にとって「恋」は永遠に追い求めてみたいテーマの一つだと思っている。私自身この年になっても、この「恋」に憧れているのは事実だ。新聞や雑誌、テレビ欄には毎日のようにニュースとして、また様々な物語に作られて目に入ってくる。 時には危なっかしい…

平和と現実

神戸ではジャズが今も愛好家にもてはやされている。私はジャズのことはあまり知らないが、一度は生演奏で聴いてみたいと思っていた。そんな折、ちょうど体操教室の友人達とジャズを聴けることになった。 生協の集会室でボランティア活動の一つである音楽会が…

作曲とユーチューブ

作曲教室に通ってから早や一年半が過ぎた。それまでの月日を振り帰ってみると悪戦苦闘の連続だった。自分のオリジナルの唄を将来作ってみたいと思っていたのは事実である。しかし、作曲に関することは何にも知らない自分を思うと、あくまでも夢だったのに、…

昭和の歌と作詞

私は歌が大好きだ。物心ついてから生活の中にいつも歌があった。一日中どこからともなく、昭和の歌が流れている時代だった。多分、同世代の人達も同じだろう。「リンゴの唄」、「東京ラプソディー」、「リンゴ追分」、「哀愁列車」、「赤いランプの終列車」…

イカナゴ騒動

早春のすがすがしい空のもと、今日も私は、浮き浮きした気分で、体操教室に足を運んだ。 教室の前で何やら騒々しい声がした。足を速めてその輪の中に入った。 「ねえ、ねえ。今朝のテレビのニュース、見た?」 「見たわよ。まったく、すごいよね。今年のイカ…

教室の仲間たち

三月に入り、ようやく季節は春らしい日が増えてきた。教室に通って一年が過ぎた。今日も私はいそいそと体操教室に顔を出した。 「お早う」 「まだ、寒いわね」 「あなた、随分姿勢が良くなったわよ」 いつもの会話の始まりである。 早春の木々のきらめきと、…

体操教室に再入会

私は、あの日の自分の身体の変調に衝撃を受けてから、以前の様に、のんびりしていられない何かが、頭の中でぐるぐるさまよった。いつまでも自分が健康で生活していけるのか? この先、全くもって、不安で仕方なかった。当たり前の様に思っていた自分の平穏な…

おばさんからおばあさんへ

ある朝、突然目まいが私を襲った。初めは何が起こったのか分からなかった。その内にぐるぐると目が廻りだしたのだ。気分が悪くなり、とうとうその場にうずくまった。頭のかたすみでは直ぐ治るかとも思った。けれどもだんだん動悸が激しくなり、ひょっとして…