小松弘子のブログ

やさしいエッセー

体操教室に再入会

 私は、あの日の自分の身体の変調に衝撃を受けてから、以前の様に、のんびりしていられない何かが、頭の中でぐるぐるさまよった。いつまでも自分が健康で生活していけるのか? この先、全くもって、不安で仕方なかった。当たり前の様に思っていた自分の平穏な日常が、如何に大切なものか!つくづく思い知らされる程、大きな出来事だった。

 それから、一カ月後、自分の体調も回復したので、健康で長生きする方法を、いくつか探ってみた。

テレビや新聞で、よく宣伝紹介されている健康食品や健康器具、カルチャーセンターで体操等……。沢山の情報に押し流されそうだったが、自分で、手短にやれるものはないかと、頭をめぐらした。そして、やはり、身体を動かすのが好きだったので、健康体操教室に通う事に決めた。二十年前に、自分の都合でお休みしていた(働く事になった為)教室である。毎年、年賀状を頂く、恩師の体操の先生と懐かしい友人に会える嬉しい機会である。早く行きたい。いろんな楽しい思い出が、次から次へとよみがえった。気持ちは、四十代のままだった。あの若くて美しかった先生も、今や六十代になっている筈だ。みんな元気でいるだろうかなあ。いろんなことが、頭をよぎった。

 私は、思い立ったら何でも、すぐ実行したがる癖がある。あまり考えずに物を言ったり、衝動的に物を買ったり、つまらないおしゃべりに、時間を費やすと家族の者から指摘されたことが何度かある。自分でも、ああ、イケないな、気を付けないと、思うのだが、未だに直らない。一生、直らないかもしれないと思うこともある。その性格で友人とも、付き合ってきたのだから。勿論、誤解を招き、失敗したこともある。もっと反省しなくちゃねと思う。

さて、いよいよ健康体操教室に再入会する日が近づいた。去年末で、事務の仕事から解放されて、自由な時間が使えるようになった。こんなに嬉しいことはない。幸せな自分を思った。自宅から車で十五分の体操教室は、朝十時に始まるので、丁度良かった。早春の教室は、明るくて、とても気持ちが良い。久々に会う友人が、やさしく声を掛けてくれた。二十年前と全く変わらない程、若々しく思った。みんな、休まずよく続いていることに、驚いた。

 軽やかな音楽に合わせて、最初の準備体操が始まった。一曲目の後、先生に紹介されて、全員のメンバーと顔を合わせた。全部で二十名。お世話になった先生も六十五歳であるが、すごくきれいで若かった。そして、仲が良かった八十二歳と八十歳、七十九歳の三人は、二十年前とあまり変わらず、元気で健康そのものだった。私もこの三人の様な年の取り方ができればと思う。

いつまでも、若く美しく、元気でいたいものだ。

出来る限り、この体操は、続けたいと思った。