小松弘子のブログ

やさしいエッセー

淡路島の変貌

コロナ禍が少し治まりつつある今日このごろ。季節も朝夕はめっきり涼しい日も多くなった。テレビや新聞広告には、楽しい旅の記事が目に入るようになった。少し嬉しいニュースに、どこかへ出かけてみたいと思っていた。

 たまたま息子から兵庫県淡路島へ行く予定があるので、一緒に行かないかと電話があった。今、淡路島の西海岸の変貌が、若人の話題になっていると言う。その話の内容が気になり、私はぜひお墓参りの帰りに案内してもらいたいと思った。

主人の生まれた故郷がドンドンと良い方向に発展しているらしい 、そのことを私自身はあまり知らなかった。そういえば一度だけ昨年の夏に息子達と、西海岸沿いにある昨今の流行りのピザとかパスタのレストランへ行ったことがあった。

「そうねえ、せっかく淡路島へ行くのだから、ぜひみんなで一緒に行こう」 と、私が言うと皆も賛成してくれた。息子の話ではここ二年前ごろから淡路島の西海岸ぞいが、特に際立ってリゾート開発が進んでいるというのだ。そういえばテレビや雑誌に取り上げられていることを思い出した。

 昔は淡路島の西海岸沿いは、人口も少なくどちらかというと、夏だけが観光客がちらほらと訪れる風光明媚な街だった。それに比べると東海岸沿いは、気候が温暖でミカン農家が沢山あり、ホテルや港が早くから完備されていた。その結果、私達は長年西海岸沿いには、あまり興味を持っていなかった。

 ところが今や西海岸沿いが、特に若者の間で人気絶頂らしいのだ。ウーン、そういえばこのところ、私の住んでいる付近の明石海峡大橋に通ずる道路は、休日になると大変な渋滞になることが多くなった。なぜだろうと不思議に思っていたが、やっと納得できた。

 明石海峡大橋乗り口迄は自宅から約七分で到着できる。お彼岸のお参りにはとても便利である。個人としては多少渋滞もあるが、淡路島の景気が良くなり、また大勢の観光客が島を訪れて有名になれば、この上なく喜ばしいと思っている。

 この日は晴天に恵まれ、大橋から見る眺望はいつになく、空はくっきりと澄み渡り瀬戸内海は広々と波もなく静かだ。本当に素晴らしいパノラマの景色を見るのも久しぶりで、心が弾んだ。

 さて秋のお彼岸のお墓参りのあと、息子達の提案で今、西海岸沿いで最も話題の (幸せのパンケーキ) のレランランへ行った。どんなお店なのか? 心がウキウキして早く出発したいと思った。

 西海岸迄の途中の道路は、昔と変わっていないが、海岸沿いに入ってしばらくすると、今までの景色がいっぺんにリゾート地に様変わったのである。     

 左右の道路沿いは観光客であふれて、真新しい洒落れた店が立ち並んでいるではないか。まだまだ将来開発されていく可能性を感じた。私は少し気後れ

をした。

 そんなことをあれこれと考えていたが、とうとう目的の (幸せのパンケーキ) のお店に着いた。

「へえー、まるで外国の景色やね。それにしてもすごいお客さんの行列にビックリやね。お店に入るのに二時間はかかりそうね?」

「ウーン、仕方がないね。折角来たのだから外で僕が並ぶから日陰で待っててね」 と、息子達が言ったので気長に待つことになった。

 周囲を見渡すと、十代や二十代の若い世代ばかりだった。今日も残暑がきつく汗が噴き出そうな気温なので、芝生の扇風機のそばへ避難した。


 入店にすごく待ったと思ったが、実際は一時間半だったらしい。いよいよお店の中に案内された。とにかくシンプルで今風な洒落た部屋で 清潔な感じがとても良かった。

 家族七人それぞれに気に入ったグルメのメニューを注文した。このお店のお薦めは何といっても (幸せのパンケーキ)である。

 眼の前に現れた果物いっぱいのケーキをほおばった瞬間、「これは最高に美味しい」 と、感嘆の声をあげた。ぜひ、一度この幸せを味わってほしい。

#淡路島