薔薇の香りの須磨離宮公園
今年の入梅は、例年になく半月位早かった。ニュースを聞いて、うんざりしたものの、梅雨の中休みが二回位あったので、少し救われた感もある。晴れ間になると、気分もスッキリして、少し外出もできた。今のところ、気温も二十三度前後で推移しているので、過ごしやすい。
今朝は運よく快晴になり、どこか近場で良いところが見つかれば、運動不足解消に出かけたいなあと思った。
そうだ、自宅から車で十五分の 「神戸市立須磨離宮公園」 に、行ってみようと思いついた。コロナ禍の時期なので最良の場所かもしれない。そういえば、十年位前に孫達と行ったきり、ご無沙汰している。現在はどのような 「離宮公園」 に、変貌しているのか興味もあり、訪れてみたいと思った。
そこで、友人に電話をかけて、都合を聞いてみた。いつも通り快く賛成してくれたので、息子にも声をかけることにした。
「お母さんは思いつきの行動が多いので、相手の都合を考えなくては駄目だよ。迷惑にならないか気を配らないとね…」
「そうよね。これから気を付けるわ」
と、おとなしくして息子の返事を待った。
「まあ、天気が良いし、運動不足解消になれば救いだよ。僕も十年ぶりだから、行ってみようかなあ」
「まあ、嬉しいわ。実はね、昨晩、偶然にテレビで、この公園に咲き誇る 「美しいバラ」 を見て、とても感激したの。こんな綺麗なバラの花を、見物できるチャンスは、めったにないと思うのでぜひ行きたいのよ」
「それはそうかもしれないけれど、先々週は淡路島の 「ポピー」 を、見物に行ったばかりだよ。二人とも疲れなければ、一緒に行っても良いけれど…」
と、友人と私のことを、気に掛けてくれていた。
「有難う。二人とも今のところ大丈夫よ」
と、息子に向かって言った。
「ついてる、ついてる!」
と、斎藤一人さんの 「おまじない」 を、突然に二回も言ったので、息子が苦笑いをした。
前々から何か困った時は 「ついてる、ついてる」 の、有難い 「おまじない」 を、唱えると不思議なくらい、殆どは叶えられている。本当に頼もしく思っている。
さて、出発してから十五分位で、駐車場に着いた。
「神戸市立須磨離宮公園」 は、本園側から姫路方面は 「須磨インター」 を、降りてすぐのところ。
大阪方面からは 「月見山インター」 を、降りて約千二百メートルに駐車場があり便利だ。
受付でもらった園内案内のパンフレットを見ながら、まずメインの「バラ」 のある噴水広場を探した。緑に囲まれた歩道を通り抜けると、パッと明るい巨大な庭園が目に入った。遠くからでも赤やピンク色のバラが、沢山咲いているのが分かった。
「わあ、良い香りだわ。それに何と素晴らしい景色なのだろう!」
と、思わず叫んだ。辺り一面に漂う 「バラ」 の、香りを、胸一杯に吸い込んだ。それぞれに趣のある 「バラ」 は、どれも本当に美しい。枝を見ると、原産地の地名や 「バラ」 に、名前が付けられていた。
調和のとれた巨大な庭園に、色とりどりの 「バラ」と、青空に突き上げて吹き上げる噴水が、力強く自然と溶け込んでいるのだ。山の緑と白い噴水。そこから広い海な望める景色は、外国の一枚の絵のようだ。日差しが眩しい初夏に、ふさわしい光景だと思った。
こうして久しぶりに改めて庭園を眺めたが、長年の間に随分進化したことに驚いた。初めての来園は昭和四十年代だった。当時の印象は、まだあまり手入れがされていない通路があり、季節の花等も少ないと思った。
しかしながら、庭園は広大で環境は素晴らしく、目を見張るものがあった。元々は天皇陛下の離宮だったので、この 「須磨」 の地に建てられた意義は深かったと思う。「公園」 と、いうより壮大な歴史を感じさせる空間だろうか。現在は市民広場に姿を変えたが、常時市民が楽しめる公園になり、改めて本当に良かったと感じている。
ここで 「須磨離宮公園」 の、紹介をしてみますと、成り立ちは大正三年で、西本願寺月見山別邸を買収し、武庫離宮として完成された。その後、昭和二十年、神戸市に下賜されたのだ。
そして昭和四十二年、上皇陛下 (当時皇太子) 御成婚記念事業として 「須磨離宮公園」 が完成した。
昭和五十四年、植物園を増設 (旧岡崎邸跡)
現在のような形の園内になった。とにかく、広大な敷地 「八十二・四ヘクタール」 に、四季折々の風情が楽しめる場所だ。
案内書によると、平安時代の史跡や、六甲山系から連なる緑に囲まれた丘陵から、はるか大阪湾を望むロケーション。皇室の別荘 「武庫離宮」、旧岡崎財閥私邸の遺構から、かつて別荘地として愛された須磨の地を体感することができる。
「バラ」 を、はじめ、四季を通じて、家族で楽しめる公園となり、皆の憩いの地になっている。
メイン施設・噴水広場は、水をモチーフにした美しい欧風噴水庭園の見事さに、心を奪われます。レストハウスから湧き出た水は、メインホール (瀑布) となって、カスケード (段々滝) を下り、キャナル(水路)に流れ、最後は大噴水となります。
「王侯貴族のバラ園」 をはじめ、「つばき園」 、「花しょうぶ園」 サクラ、ツツジ等、四季折々に楽しめます。
他にフィールドアスレチック (子供の森) があり、自然の中で遊びながら、体力づくりと森林浴ができます。また、コースの最上部は展望台になっています。
東側の連絡橋を渡れば、三百種類以上の植物が見られる 「植物園」 があります。中心部には、観賞温室や和室・和庭園があり、変化に富んだ地形を生かした、みどり滝、三段滝、もみじ滝等の水の変化が楽しめます。園内には、各種の桜や梅園が整備されています。
私はこのように素晴らしい 「須磨離宮公園」 に、まだ四回位しか行っていないことを、今になって悔いている。久しぶりに訪れた公園は、どこを見ても素晴らしく、新鮮に映りました。
ぜひ何回も訪れたい気持ちで一杯です。
2020/06/06 #106