小松弘子のブログ

やさしいエッセー

人気の店 ブロンコビリー

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月も中旬になり三寒四温の日が続いている。梅の便りも多くなったが、相変わらずコロナ禍は終息しておらず、憂鬱な日もある。

最近テレビニュースで三月初旬をめどに、緊急事態宣言を解除するという噂を耳にした。巷では待ち望む声もあるが、慎重派も多いと聞く。さてどうなるのか、神のみぞ知るところだ。

自分の日常はと言うと、一週間に三日は朝ドラの後、朝十時位までテレビをつけっぱなしで、たまに電話の音にびっくりして起きることがある。ふと目が覚めて、

「今、何時なのか?」 

寝ぼけ眼のまま、勝手に自問自答して、そのまま十分ほどボーっとしている時がある。特に外出の予定がない何日かは、のんびり過ごしている。気楽な生活だと思えばそうだが、本当は何か物足りない。今の生活に変化を付けたいと思ってはいるが…。

案の定、今朝も出勤前の息子に注意されてしまった。

「お母さん、最近朝から毎日のように、テレビを見ているけれど、そのまま何時間も見続けていないだろうね? 良くない習慣だし、自分で分かっているの? 運動をしない生活ばかり送ると、フレイルになってしまうよ。本当に心配するよ」

全く息子の言う通りで、穴があったら入りたい。しかしながら、テレビも悪いだけではない。役立つ情報も沢山あり、気分転換に丁度良い一面もある、と言いたかったが、敢えて反論しなかった。

そんな生活が続いて三週間経ったある日のこと、足の股関節に異変が起きた。足が急に痛くなり歩きにくくなったのだ。原因は昨日まだ慣れないグランドゴルフで、急に沢山歩いたからだった。これくらいの運動で足腰が痛くなるなんて、思いもしなかった。やはり家で一カ月ほどゴロゴロしていたからだろう。自分はまだ大丈夫だと過信していたのだった。

「ああ、このままじゃ駄目だ! 明日から生活態度を変えなければ…」

 と、反省しているところに突然、電話がかかってきた。

「こんにちは。今朝、久しぶりに歌の先生から電話があったよ。コマッちゃんは元気にしているかねと言っていたよ。午後から先生達を訪ねてみようと思っているのだけれど、一緒に行きますか?」

 十年来のカラオケ教室の友人からだった。

「勿論のこと行きたいわ。先生方ともしばらく会っていないので、心配していたところよ。ぜひお会いしたいわ」

 と、快く返事をさせてもらった。午後を過ぎてから先生達にお会いしたが、ご夫婦ともとてもお元気で安心した。世間話が終わってから、夕方に四人でお食事に行くことになった。先生はおもむろに、

「さあて、何が食べたいかなあ? 君たちに任せるよ」

と、言ってくれたのだが、どこに決めれば良いのか、余計にメニューに困ってしまった。こういう時は、なかなか選ぶのに時間がかかることが多い。

そこで私の独断と偏見で決めることを思いついた。

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「あのね、帰り道が夜だと寒いから、とにかくこの近辺が良いと思うのよ。お肉の 『ブロンコビリー』 はどうかしら?」

「ああ、そうだね。『ブロンコビリー』 に決めよう」

 先生が先に賛成の声をあげてくれたので、すんなり決まり良かった。

 『ブロンコビリー』 に着いた時、外はうす暗くなり始め肌寒く感じた。

「わあ、寒くなったから早く、お店に入りましょう」

 と、いつも言葉数の少ない奥様が言った。

「いらっしゃいませ。いつもご来店有難うございます」

 笑顔で迎えてくれたのは、普段から愛想の良い店長さんだった。たまたま家の近くにある店なので、月に数回ここでランチを利用させてもらっている。

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ブロンコビリー』 が、ここで開店してから四年位経つだろうか? 息子達や孫達が 「ハンバーグ」 やステーキが好物なこともあって、ランチタイムに美味しく頂いたものだ。 サラダバーはいつも新鮮な野菜や果物が、並べられているのも魅力だ。平日のランチタイムは大抵の場合、主婦のお喋りの集まりが多いみたいだ。ランチはリーズナブルな価格で、美味しい『ブロンコビリーハンバーグ』 が、特にお薦めだ。ドリンクバーのジェラード付きは、これからの暑い季節に喜ばれるだろう。

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たまに夜の 『グランドメニュー』 の、ステーキを店長さんに薦められるが、数回しか食べたことが無い。勿論のことステーキ好きには、美味しく味わえることに間違いはなかった。デザートもランチタイムより豊富で、静かで落ち着けるので好きだ。

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 そんなことを思い出していたら、ふと一緒に行った友人と目が合った。すると友人が先生に声をかけた。

「先生、早速ですが何でもおっしゃって下さいよ。どのメニューに決められますのか? そうだ、和牛のステーキがお薦めですよ。今夜は皆これに決めましょう」

 と、友人が店長さんに注文をしてくれた。ところが、全くのハプニングが起こった。

「イヤー、すみません。全く申し訳ないのですが、この特別メニューは一つしか残っていないのです」 

 と、言ったので他の三人は別のものを注文した。ああ、折角美味しいものが食べられると思っていたのにガッカリだった。

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 しかしながら、久しぶりに四人でいろんなお話ができ、楽しく有意義な時間を過ごせたので良かった。

 店内は特に清潔をモットーにしているので、安心してお食事をできるお店だ。

 店長さんをはじめ、店員さんも明るくて気軽にお食事ができるので、また行ってみたいお店の一つだ。

 

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