小松弘子のブログ

やさしいエッセー

健康体操でストレス解消!


健康体操でストレス解消! 健康体操アクティブユウ 芝裕美子

昨今、新型コロナウイルスの話題で、世界中がパニックになっている。二月、三月と、ここ二ヶ月間は、家で過ごす事が多くなった。趣味のお稽古の教室は全部中止になり、運動不足を意識している。憎らしい 『コロナ』 が治まるまで、諦めるしかないのだろうか? 一日も早く 『コロナ』 が、終息することを願っている。

 その一方で、先日のニュースを見ると、まだまだ日本は安全だと、若い人はたかをくくっているようだ。しかしながら、確実に 『コロナ』 の危機は一歩手前まで来ていると、多くの人が認識しているのも事実である。

 まあ、特にストレスが溜まりやすい人達にとって、大変な時期が続いている。

 今朝、出勤前の息子が言った。

「お母さん、もう何回も言っていることだけれど、今日こそ家で体操しないとだめだよ。他に毎日散歩をするとか、とにかく運動不足にならないようにしないとね。運動不足なると、認知機能が低下するらしいよ。そのうちにボケが始まるかもね。本当に分かってるの?」

「勿論、分かっているわよ。少しは運動しているわよ」

 と、答えたものの、実際はまだ充分な運動はしていない。狭い部屋で教室と同じように、運動をするのが難しいことを、息子は知っているのだろうか? と、愚痴を言いたくなる。

 ある日、体操教室の先生と生徒さん三人で、お話する機会があった。一カ月ぶりの再会だったので、寛いだ気持ちだった。すぐに 『コロナ』 の話題になったが、今のところ家族や友人に感染がないことが分かった。いつものたわいない主婦の、お喋りが始まった。

「皆さん、お変わりなく元気そうで良かったわ」

 先生が笑顔で最初に言った。

「『コロナ』 の問題で、長い一カ月になったわね。毎月の楽しみが急に中止になり、ほとんど毎日、家の中でゴロゴロしているのよ。ますます運動不足になり困まってしまう」

「本当に残念よね。お陰で体を動かす機会が減ってしまい嫌になっているの。このままだと太ってしまいそうで、どうしようかしら」

 と、ダイエットに気をつけているYさんが言った。

 そこで、私は先生に私達の運動不足解消方について、名案をお尋ねすることを思いついた。

「そうね、実は私もあなたと同じように、ゴロゴロしている日が多いのよ。運動不足で身体が硬くならないかと心配しているのよ。ウーン、本当に困ってしまう問題ね」

 と、正直に言われたので、まずはひと安心した。と言いながらも、

「例えば、家の中で体操をしようと思えば、いくらでも考えられるわね。廊下とかベランダの手すりを利用して、ストレッチ運動をしてもいいわね。部屋の中だったらテレビを見ながら、畳の一畳分で柔軟体操もできると思うのよ」

 すぐ先生の横で、話を聞いていたYさんが頷いた。

「なるほど、家で簡単にできるアイデアですね。私は教室が中止になったので、一カ月前から毎日のように歩いているの。平均五千歩を目標にしているのよ。歩くのが好きだから、今のところ何とか続いているけれど…」

 Yさんの発言に、一歩出遅れた自分を感じた。

「まあ、すごいわねえ。私なんか最近めったに散歩もしていないわ。Yさん、そういえばあれから全然太っていないみたいね。すごくスマートになったみたいよ」

 日々、努力しているYさんに感心させられた。同時に自分の呑気な性格に嫌気がさした。自業自得だから仕方がない。

「実はね、山登りなんかも好きなのよ」

「ええっー、全然知らなかったわ」

以前に運動は苦手だと言っていた、Yさんの言葉にショックを受けた。

またまたYさんが言った。

「それはそうと、さすがに先生の体型も、変わりなくて羨ましいわねえ。この先、私達はどうしたら気力と体力と体型を、維持できるかが課題になりますよね」 

 この発言に、ますます私は落ち込んだ。息子に言われた言葉が次々と頭をかすめた。もっと真剣に運動不足について、対処しないといけない。

「生徒さんもいろいろと大変だけれど、先生仲間の研修会も、今月は会場が使えなくて困っているのよ。来月四月も二週目まで使えないという連絡が入ったばかりなの。それでも、お稽古しないと身体が硬くなるし、新しいタイプの体操も考えないといけないのよ」

「そうだったのね。私達は自分のことだけ考えればよいけれど、先生方はもっと大変ですね」

と、言うと、

「まあ、そういえばそうだけれど、頑張るしかないわね」

と、屈託のない爽やかな言葉が印象的だった。やっぱり先生は心から体操が好きなのだと思った。生徒の誰もが、いつも熱心な先生の姿を知っている。また人一倍に、生徒のことを大事に思ってくれている。だから尊敬され親しまれているのだ。

しばらくして、

「あらーっ、もう一時間以上もお喋りしてしまったわね。この時期、あまり長い会話はご法度だから、そろそろ帰りましょうか?」 

 と、いうことになり楽しい時間を終えた。一ヶ月間のストレスも吹っ飛んだ。

その後、テレビでも運動不足について、いろいろな番組が作られていることが分かった。世界中でこのことが問題視され、注目を浴びている。

私は息子に頼んで、ユーチューブで先生達の許可を得て体操を入力してもらった。初めは見るだけに終わっていた。

ところが何度も画面を見るたびに、先生達の考え出された体操に感動させられた。どれも身体に良い運動ばかりだった。先生達の長年の情熱と、努力の積み重ねを思った。

次の日、先生方の実技を見習って、体操を始めようと決心した。

やっと、自分で一歩踏みだせたのだ。真面目に頑張ろうと思った。特にこの時期、誰もストレスに悩まされている。 『コロナ』 が、消えるまで心と身体を大事にして、元の元気を取り戻したいものだ。