小松弘子のブログ

やさしいエッセー

ついてる ついてる 何のおまじない?

『ついてる、 ついてる』 二年程前、偶然にパソコンでこの不思議な言葉を知った。

「ついてる、ついてる。一日に何回でも言おう!」

何のことなのだろう、何か深い意味がある言葉? ひょっとして、私だけが知らない言葉? 

さて? その言葉の内容を知りたくなった。半信半疑で話を聞くことにした。

『ついてる、ついてる』 

どんな話が聞けるのか? 

ユーチューブによると、この言葉を口にすると、誰でも良いことが起こるというのだ。 つまり運気が上がって、今より運勢が良くなるというのである。

『ついてる』 この簡単な言葉を言うだけで、手軽に望みがかなうなら、こんなに嬉しいことはない。

本当だろうか? 嘘みたいな話だが、確実に幸運を呼ぶ可能性がでてくるらしい。ユーチューブの内容では、この他にも努力次第で、いろいろな奇跡が起きることもあるという。

発信者はユ―チューバ―の 『斎藤一人さん』 

私は初めて画面で名前を知った方である。残念ながらお顔は写していなかった。なぜかな…。

さて、この人は何者なのか? のちに有名人だと分かったが、この 『ついてる』 と、いう言葉は、すごく奥深い意味を持つことを知らされた。

ある時、家に誰もいなかったので、この言葉の力を実験してみたいと思った。

『ついてる、ついてる』 と、小さな声で二回言ってみた。 今度は大きな声でもう一度、 『ついてる、ついてる』 と一回だけ言った。言っている自分可笑しくなり、ついに笑ってしまった。

『一人さん』 の、言葉は人の心を動かす力が備わっていると感じた。 『ついてる、ついてる』 の、言葉の波動が人に笑顔をもたらし、楽しい言葉に変化するのだ。

次の日、会社から息子が帰宅したので、早速、この 『ついてる、ついてる』 の、話をしてみた。

「おかえり、お疲れさま。あのね、ちょっと聞くけど、『ついてる、ついてる』 と、いう言葉を知ってる?」

「えっつ、なんなの、その言葉? 聞いたことないよ」

 息子はきょとんして、私の顔を不思議そうに見た。

「実は今日、ユーチューブで面白い話を聞いたのよ。その言葉を言うと、元気が湧いてくるのよ。本当に面白いから、一度画像を見たらよいと思うのよ」

「またまた…、変な宗教の番組と違うの?」

 息子はあくまで、話を聞こうとしなかった。

「でもね、良いお話が聞けるから、絶対に見た方が良いと思うわよ」

 息子は疲れているのか、夕食後さっさと二階の自分の部屋に上がっていった。

「あーあー、私の話が信じられないのね。これからの人生に役立つ話もあるし、面白い話なのにもったいないわ」

私は息子に聞いてもらえなくてがっかりした。

ところが、夕食後しばらくたって、息子が台所にやって来た。

「あのさあ、さっき、『ついてる、ついてる』 を、二階の部屋で見たんだけれど、お母さんが言っていたように、『斎藤一人さん』 の話、結構面白かったよ。そうやなあ、初めて聞いたけれど、とても説得力があり、お喋りが上手な人やなあ。落語家のような口調が、軽快で面白かったよ」

 と、共感してくれたので嬉しくなった。

「このユーチューブの話だったら、きっと初めての視聴者でも、 『一人さん』 の、話に引きこまれるだろうな」

その息子の言葉に感化して、連日のように 『一人さんシリーズ』 を、見ることにした。いつも心がじわーっと温まり、なぜかやさしい気持ちになるから不思議だ。

最近はあまり拝聴していないが、今でも一人さんのファンで、『ついてる』 を、よく口にして楽しんでいる。

『ついてる』 を信じてから二年が過ぎた。私には今もなお、効果の続いてる現象が、一つだけある。

それは、車で買い物に出かけた時だった。何分か駐車場が開くのを待ったが、満車のままで困っていた。

いらいらして待っていたその時、 『ついてる、ついてる』 と、思わず言ってしまった。すると、どうだろう。途端にすぐ近くに空きが発生して、車を停められ得をしたのだ。

『ついてる、ついてる』 と、喜びを実感する最初の出来事だった。

帰宅後、息子達にこのことを伝えると、

「そんなことはあり得ない話だよ。ほんの偶然だよ」

 と、大いに笑われた。しかしながら、それからも私の場合は、何回も同じ効果があった。よく考えると、九十九パーセントの確率で、継続されて現在に至っている。

 まるで 「嘘みたいな話」 と、信じてもらえないかもしれないが真実である。

 まあ、本当のことだから、信じてもらえなくてもかまわない。

『一人さん』 の、ある一部分のお話は、子供の頃に母からよく聞いた、お説教に似ている。どのお話も素直な気持ちで聞けるので、何回聴いても飽きない。

そう、何といっても心と身体が癒されるのだ。時には、お寺のお坊さんの説教に似た話もあったが、新しいタイプの役立つ情報も、沢山得られたと思う。

 二年くらい前に 「斎藤一人さん」 の、名前を匿名でエッセイに書いたことがあった。この時、エッセイ教室の先生が、

「この話に出てくる人は、『斎藤一人さん』 の、ことを書いたのでしょう? 別に名前を伏せなくても、とても有名人なのだから、実名で文章に載せるべきだよ」

 と、指摘されたことがあった。

「はい、すみません。これから注意します」

 エッセイ教室の中で、私一人だけが知らない知識だった。勉強不足が身に染みた 「ながーい」 、一日だった。

最近も、息子とか体操仲間に、

「 『「斎藤一人さん』 の、チャンネルは面白くて、気分転換に本当にお薦めよ。また日常の生活で何か困った時とか、悩み事に遭遇した時など、即座にアドバイス的なことを、お話の中から教えてもらえるのよ」

 と、言っている。が、本当は自分に言い聞かせているのだ。

 新型コロナが蔓延している、せちがない世の中、

『ついてる、ついてる』 の、お話で元気になって、皆で乗り切りましょう。