小松弘子のブログ

やさしいエッセー

作曲ができるまで

初めに、私が今まで作曲した作品をYouTubeにあげていますのでご覧ください!

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 歌の作詞に曲を付けられるようになってから、今年で三年目を迎えた。勿論のこと、私が一人で作曲など出来る筈はありません。

 過去二年間に二十曲以上も、作曲教室の講座の先生に指導して頂いたから作品が出来たと、いつも思っている。今日まで先生には大変お世話になった。心から有難うと感謝の気持で一杯である。

作曲講座は月に二回あり、ここ一年間は生徒が少なかったため、仲の良い家族のような雰囲気で楽しく学ぶことができた。

毎回と言っていいほど、持参した自分の詞に曲がつけられた。哀しい詩には、明るめのメロディーを。楽しい詩にはより楽しい メロディーを。

先生が弾くピアノは魔法のように次から次へと、流れるように私の詩線を彩った。

「今日も又、良い音楽ができ良かったですね。」

「本当に素敵な曲作りができ、有難うございます」

 

私の作品作りは歌謡曲かポプッスである。詩が先に完成していて、その詞に曲を付ける方法だ。いわゆる詞先という。今までに作った歌は全部、詩が先にありメロディーが後からつけられた。詞の中身を自分なりに解釈して、曲の雰囲気を考えてメロディーをつけてきた。

 

五年ほど前、歌謡曲やポプッス系の作曲の仕方には、二つの方法があることを音楽雑誌で知った。

それまで詞先とメロ先という言葉の意味を知らないままに過ごしてきた。知らないことは怖いことである。

さて、メロ先とは何のことだろうと思って読んでみると、作曲が出来上がったものに、後から詞をつける方法らしい。主にポプッス系の歌は、このメロ先の方法が主流になっていると言われている。

私はこの時まで歌は必ず詩が先に作られ、後からメロディーをつけるものだ、とばかり思っていたので驚いた。

その頃、私が習っている通信講座にも、偶然にメロ先の練習過程があるのを知った。一度挑戦しようと楽譜を見たが全く手が出ない。やっぱり素人には難しくて無理なように感じた。すんなりと諦めようかと思ったが、ここで辞めたらもったいない気がした。じっくりとメロ先の説明書を読んでみると、少し灯りが見えたので思いきって再度挑戦してみようと思った。

 

その日からメロ先攻防に向かって闘った。ラジカセで毎日のように何度も送られてきた楽譜とメロディーを聴いた。完成された楽譜と自分の詞を照らし合わせて口ずさんだ。初めは字数が合わなかったり、曲のイメージがずれたりさんざんな日が続いた。

一週間後に不思議にピッタリの詞が浮かんできた。やればそれなりに作詞ができることもあると感じた。決して充分な詩ではないが、自分なりの歌のイメージが浮かび作詞ができた。初めての試みだったので感無量というか、とても嬉しかったのを覚えている。

 

 その後、四年間に通信講座で何度かメロ先の楽曲が送られてきたが、一度も楽譜を見ることはしなかった。少し音楽だけを聴くことはあったが、その完成された立派な楽曲に、自分のつたない作詞をしようと思わなかった。

 生意気なようだが、できればやっぱり自分で作詞と作曲をしたかったからだ。しばらくは、メロ先のことは忘れようとしていた。

 

 ところが昨年末にエッセイ教室の先輩の内田さんの本を読ませて頂いた時のことだ。本を手にして一気に読んだ後に、何とすぐに詩が浮かんできた。慌ててペンを取り、作詞の三番まで完成できたのだ。勿論、曲名は内田さんの素敵な造語の「神戸発 カルチャーサーフィン」に決めた。

大げさかもしれないが、この本に出会えた人は自分の今までの人生観が変わると思う。私も含めてだが、寂しがり屋で何事にも退屈している友人達に、この本を薦めてあげたいと思った。読み終えたらきっと今よりは元気を取り戻して、前向きに楽しく生きられると思う。

 

『カルチャーサーフィン』とは、内田さんの造語です。

誰でもいつでもすぐにできる六十才からの再春ライフ 異空間への家出 カルチャーサーフィンという楽しみ方。

 いろんなカルチャースポットを、波乗りよろしく巡り歩くからサーフィンなのです。

「時々家出をして、カルチャースポットを中心に街歩きを楽しむ」ことだと述べられています。

 

 

平成二十九年の十二月末、家の中を歩いていると足元に、通信講座から送られてきたメロ先の春締め切りのCDが転がってきた。最近はこの種類の音楽は聴かないことにしているのに、何故か送られてきたポップス部門の盤をディスクに入れて聴いてみた。

 ああーなんと、この曲は軽快で心がウキウキしてくる。自然に気持が弾んでくる感じがした。私が今、内田さんの本を読み、作詞したばかりのイメージにメロディーがピッタリの曲だった。自分の作詞に合う曲が偶然に見つかりビックリした。早速メロディーに合わせて字数も少し修正して出来上がった。我ながらとても気に入った。

しかしながら何日か経って自分の書いた詞を読み直したが、やはり完ぺきとはいえない。当たり前だがもっと、もっと推考して良い作詞にしなければならないと思った。

「神戸、元町、三ノ宮カルチャーサーフィン」

私にとって、印象深いとても素敵な歌だから。

 *この歌をユーチューブで発信中です。ぜひ聴いてみてくださいね!

下記のYouTubeリンク先からどうぞご覧ください。

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